導入事例1
Y社様
導入前の状況
同じ伝票を、製造、販売管理、経理で各担当がそれぞれ入力を行っている。
多重入力、多重集計の無駄と、転記ミスリスクが大きい。
- 生産管理システムは、発注、出荷等の伝票関係は手書き、またはExcelで作成。
- 財務は、弥生会計システムを使い、伝票を科目ごとに手集計し入力。
- 販売管理は、弥生販売システムを使い、同じく納品伝票、出荷伝票から再度入力。
- 原価・利益管理面では、弥生会計に入力したデータをExcelで再作成
製品別の原価はわからず、全体としての利益を管理するにとどまっていた。
- 製品ごとの利益を把握できていない現状は、会社としての不備だと感じている。
- 標準原価計算制度を導入して、的確な原価・利益の集計と分析をリアルタイムに可能にしてゆく体制を作りたい
ご提案と導入内容
データの受渡の道筋を構築
生産管理で入力した仕入・売上情報から、弥生会計用の仕訳データと弥生販売用データの自動作成ツールを構築しました
このための、生産管理側で科目その他必要情報を入れる方法、運用改定を提案実施しました
日報
コンサルティングを行う中で、労務費の管理を正確に行いたいという欲求が高まったので SHINの日報オプションと、すでにつけていたExcelの作業記録を、そのまま日報として活用できるように提案して導入しました
標準原価計算制度の構築
標準原価の設定を含めた、標準原価計算のためのコンサルティングを行いました
標準原価計算制度への移行として
今まで売価還元による売上原価把握と、実際の仕入額集計で原価管理を行っていたのでどうしても「標準」がなじまず、違和感があったため、標準とともに実際金額の集計や原価差異配賦後の製品単価(実際と同じ意味となる)を照会・活用する機能もお伝えし今まで作成していた帳票と同じものを出力できる機能をご提供しながら、しだいに「標準」になじんでいただきました。
決め手
- 「原価計算」の機能の多さを競うシステムではなく、むしろ計算はできるだけシンプルにし、その先の「原価情報を経営分析に活用する」ことに重点をおいている点が自社のニーズと一致した。
- デモを見た時、原価計算の専門的なことがわからなくても、「コストフローメニュー」は、直感的に理解しやすいと思った。
- 原価計算だけでなく、その結果を経営分析に活用するためのBI機能もついていた。
- 生産管理を現場のためのシステムにとどめず、原価管理までつなげる導入コンサル、さらにはそれを既存の弥生シリーズに受け渡すITコンサルを一貫して指導してくれるサービスは他にないと思った。
導入してみて
- データ連携のための開発(生産管理から仕訳と販売管理データを自動作成する機能)までサポートがあったので月次の入力工数が格段に減り、また転記ミスもなくなった。
- これにより、一か所からデータが発信されるので、各部署でデータの関所機能が働くようになった
こういったデータ連携は、いっけん原価管理とは直接関係のない作業と思っていたが、原価管理が目的とする経営分析を正確に行うための、会社の情報を一元管理化するという面では、必要な改善だったのだとわかってきた。 - コンサルティングを受ける中で、日報をつけることにしたが、その際、すでにつけていたExcelをそのまま活用してくれるなどなるべく現場の負荷がかからない形での原価管理実現を一緒に考えてくれる点がよかった。
- 標準原価に関しては、従来の売価還元や集計方法と異なる点に違和感を覚え、時間はかかったが生産管理の情報が整ってきた1年後から実際のデータを見ながら標準原価を設定しさらに1年後の期末に、標準原価に切り替えることを決め届け出を完了。今後、さらなる精査をしながら、経営分析に活かしてゆく準備が整ったと思っている。
- 標準原価に馴染むまでの過程で、原価差異の配賦を製品ごとに行える機能は理解を進めるのに役立った。むしろ従来の集計より、「実際にかかった原価」を正確に表すものと感じた。