導入事例3
A社様
導入前の状況
労務費レートの妥当性に不安
- 個別受注生産なので、各製番ごとの仕入集計は管理できる
- しかし、そこに加工費(労務費)単価をどのように算出し、どういう基準でのせれば適正といえるのかわからない
- 共通費(間接費)についても、どのように配分して考えればよいのか迷いがある
月次管理資料の作成工数削減
- 労務費、間接費を含めた適正な原価計算を、毎月の工数をかけずに行い、管理資料作成を行いたい
- 製番別の利益管理だけでなく、期間損益の管理も、受注見込を加味した年度末の損益予測も
- 別集計でなく、同じ情報を基に統一的に行ってゆきたい
業務間での基準の統一
- 生産管理、財務、営業で、管理基準が異なる場合がある
- たとえば「売上」として把握するタイミングが、生産管理と財務上では異なるとか
- 海外取引をしていると、出荷、検収、入金などのタイミングに開きがあるため、意識的な統一を行ってゆかないと部門間で異なってくる
差し引き計算としての利益管理に疑問
- 今までは、かかった原価から仕掛在庫計上額を引いて売上原価としているが出てきた数値が感覚と合わない
- 残業の影響、労務費単価設定の影響、売上とならない製番の影響、さまざまな観点が売上原価に影響を及ぼすと考えられる
- 売上原価を差し引きではなく積み上げで計算し、その中身を分析できる形にしてゆきたい
ご提案と導入内容
労務費は継続的に検討可能な仕組みを提供
この会社は、労務費のコントロールが非常に利益を左右する要素が大きかったので労務費と間接費のレートについては、現時点の答のみを提示するのではなく、今後状況が変わっても社内で検討してゆける体制が必要と感じた。
よってまず、日報をつけてらっしゃったので、実際個別原価計算の仕組みの中で、労務費と間接費についてはまず日報工数から、月ごとの実際単価を計算する機能を提供した。
それによって今まで設定していた単価との差を検討し、理想的な単価を自分たちで設定を可能とする。
その後、その設定した単価で原価計算を行い、常に「実際単価との差異」を管理する形を作った。
個別実際計算でありながら、この部分に標準管理的な「原価差異」管理の手法を組み込むことにより。
理想値との差を管理しやすくなり、損益予測への影響を即時対応とりやすくなった。
見込受注を加味した当期損益予測管理
基幹システムに登録する前の、見込製番については、Excelで別管理を行っており
基幹システムデータの実績とExcelの未受注分を合わせて管理するのは大変だった
今回、未受注分の仮製番を登録する見込管理機能を提供し、見込みと実績を一元管理できるようにした。
基幹システムデータの実績とExcelの未受注分を合わせて管理するのは大変だった
今回、未受注分の仮製番を登録する見込管理機能を提供し、見込みと実績を一元管理できるようにした。
決め手
労務費レートの妥当性や、原価管理について運用上間違っているところはあるか、改善可能性があるのか等、システム導入が目的というよりは、まずはコンサルティングを受けたいニーズが強かったのだが単発のコンサルティングでは、既存システムまで具体的に見てくれるのは、他では難しそうだった。システム購入の決断はあとでいい、という点。まずコンサルティングを行い、システムを導入した場合には何ができるのかを見てからシステム購入を決めればよい、という提案だったので、安心だった
導入してみて
- 今までExcelで管理していた未受注分の仮製番を登録する機能ができたので、営業が直接見込製番を登録することにより、未受注情報も一元管理されるようになり営業担当レベルの情報も、経営側がリアルタイムで把握できるようになった、
- 労務費レートは、検討が始まったばかりだが、まったく妥当性が見えなかった労務費の、月ごと実際単価が計算されるようになり、様々な集計数値に安心感と信頼性が向上してきた、
- それぞれの担当が集計していた月次経営資料の作成工数が削減された。SHINは、帳票作成機能があるので、定例的な資料についてはどんどん作成して共通使用できるように作成している。
- 売上原価のみならず、仕掛在庫の内訳についても、全てが「差し引き」ではなく、明細の積み上げで確認できるので、様々な課題も見えてきた。改善してゆきたい。